AgileJapan大阪サテライトに参加してきました
皆さんこんにちわ。高橋です。すっかり月一ブログと化してしまっていますが、月一でも更新し続けるのが大事!ということで、続けて行きます。
今回は、アジャイルジャパン 大阪サテライトに参加して来たお話です。
当日は13時からだったので10分ほど前に会場へ。何度か来たことのあるMOTEXさんのホールですが、やはり良い会場ですよねえ。まるで映画館。会場に着いた段階で、すでにだいぶ席が埋まっていましたが、前の方の席は最後まで空いていたので、これ幸いと前の方の席へ。(映画館のような会場なので、前の方だと首が痛くなるのかな?僕はあまり気にならないので、よく前の方に陣取ります。)
最初のセッションは、
「Agile Japan 2017基調講演 “モダンアジャイル” Joshua Kerievsky 氏」
このセッションは録画ですが、会場が会場だけに結構ちゃんと見ることができたので良かったです。 内容をすべて書くことはできませんが、以下の話が印象に残りました。特に印象に残った話を太字にしています。
- 心理的安全を確保しよう
- ストーリーの見積もりをやめる
- タイムボックスは固定長じゃなくていい
- スプリントやベロシティを無くす
- 届けることではなく、価値に着目
- 日本の新幹線の話(カーブが多くて新幹線が速度を出せない→カーブをなくしてしまう という、逸話的な話)
- 自分たちがすごいやつになるんじゃなくて、ユーザーがすごいやつになることを考える
- 不安を与える文化が会社に有る限り、どんな素晴らしいプロジェクトもあなたを幸せにはしない
- 計画に従うことよりも、変化に対応することに価値を見出そう
心理的安全は言わずもがな、届けることではなく価値に着目というのは、アウトプットではなくアウトカムに着目するという話に似ている気がしました。また、自分たちではなくそれを使うユーザーがすごいやつという話は、言われるとその通りなのですが仕事を進めている間にはなかなか気がつけない話です。 これらの話、自分は今アジャイルで開発を進めていないので、直ぐにできないこともありますが、今後心がけて行きたいと思います。
2番目のセッションは、
「会社の文化をアジャイルに変えたい?キミにもできるよ! 株式会社ヴァル研究所 開発部 部長 新井 剛 氏」
このセッション、新井さんの語り口調がすごくよくて、こんな人の下で仕事をしてみたいと思える内容でした。どんな話が出たかというと、
- にこにこぼーど、もやもやぼーどという個人の状態を表明するツール
- 会議が終わったら全員でハイタッチ
- 社内に標準ルールを作らず、プロジェクトの文化やカイゼンを優先
- ヴァル研究所の社内見学会の話(10月まで予約で埋まってるとのこと)
- どうやって社内でアジャイルを始めたか?という話(血判状をつくったw
- 発見が後からついてくる、意味が後からついてくる
- まず「する」ことから始める
社内に標準ルールを作らないというのは、なかなか難しいことだろうなと思いました。なんでもルール化したい人ってのが世の中にはいるし、標準ルールがないと仕事が進められない(ストレスになる)人ってのも結構いますからね。
3番目のセッションは、
「DevOpsにも取り組み始めたアジャイルウェアの挑戦 株式会社アジャイルウェア 代表取締役CEO 川端 光義氏」
特定のブラウザで発生する問題や、速度面での問題など、製品を売っている現場ならではのクレームの話は興味深かったです。4000件並べるガントチャートは、ただの嫌がらせやろw と思いましたが。笑 ただ、最後のパワーワードで途中の話がだいぶ記憶から抜け落ちてしまいましたw
4番目のセッション、
「シャープにおけるアジャイル(スクラム)型開発手法の適用について シャープ株式会社 太田敦士氏」
このタイトルが、のちに物議を醸しますw 内容は、ここではあまり書けない内容が多かったのですが、
- 名誉PO(プロダクトオーナー)
- 先にやってから謝れば良い
- 儲けている人間が会社では偉い
うーん、まとめるとこんな感じかと思いますが、書けない話が多すぎてほとんど省いています。笑 最後の、儲けている人間が偉いというのは至言ですね。 会社っていうのは営利団体ですから、儲けている人間が偉いです。無論、それ以外の要素もありますが、これは原則ですよね。太田さんとは、懇親会でも話をする機会があったのですが、「枠に収まりきらない人間の凄さ」というのを実感できました。
5番目のセッション、
「関西電力におけるアジャイル(スクラム)型開発手法の適用について 関西電力株式会社 IT戦略室情報技術グループ 内藤 悟史氏 情報通信センター 事務システムグループ 中野 智博氏」
タイトルで笑いが起こりました。笑 前のセッションの影響であって、タイトルを決めたのもこちらが先なので、決してお二人が受けを狙ったとかそういうのではないのですが、自分もおもわず笑ってしまいました。ごめんなさい。m(_ _)m
さて、内容の方ですが前のセッションとは打って変わってものすごく真面目に、ウォーターフォールしかなかった会社でアジャイルを始めた話です。
- アジャイル開発を実施するに当たってやったこと
- PO(プロダクトオーナー)が開発に疎かったのでPOプロキシという役割を作った
- レビューだらけだった開発プロジェクトから不要なレビューを無くした
- WF(ウォーターフォール)とアジャイル開発の比較
話を聞いていて思ったのは、すごく真面目にウォーターフォール開発に取り組んでいた会社だったんだろうなあ。ということ。 アジャイルにしたら、工期が7ヶ月短縮されたという話が出たので、流石にそれは効果が出すぎw と思ったのですが、まぁアジャイルだけの効果ではなくDominoを使った効果も大きかったと想像できるので、ぜひ今度はアジャイルだけの効果を聞かせて欲しいです。
最後のセッションは、
「「楽しさ」に導かれたアジャイル開発 ~老舗メーカーでの実践~ コニカミノルタ株式会社 久保 明氏」
内容をかいつまんでみると、以下のような感じです。
- 朝会は進捗確認ではなく健康診断
- アジャイル開発を進める際に、やることが増えた感を出さない
- 金曜日はすべてバッファにした
- 勉強会やセミナーで知り合いを増やして、脱・孤独
- 「成長することは良いことだ→成長することは楽しいことだ」「成長しないことは悪いことだ→成長しないことは楽しくないことだ」と考えてみる
- あなたの頑張りが迷惑
- 頑張ることによって人の成長を阻害している
エモい内容が多かったのですが、だからこそ身につまされる話が多かったですね。特に最後の方は、若干思い当たる節があったりして、過去を振り返ったりしてしまいました。(今は分かっている事ではあるんですけどね。)
さて、各セッション終了後にはパネルディスカッション。パネルはなく、質問形式で進められて行きました。これは、個人的には、お題を事前に用意しておいた方がよかったかなー?と思いました。とはいえ、良い話もたくさん出ており、例を挙げると、、
Q:ヴァル研究所の見学ツアーへはどう行けば?
→FBメッセンジャーなどで申請してもらえれば。ただし待ち行列ができてるので10月以降になる
Q:(タスクボードなどの)壁不足問題は?
→ふすまタイプの段ボールや、ホワイトボードシートなどを活用。また、使わないタスクボードなどはアーカイブして片つけている
Q:アジャイル導入に際して、品質保証部との関係性は?
→本音では、品質保証部にも最初から関わっていって欲しい。品質保証部が出荷判定をするというのは海外にはない、日本独自の文化。(それが悪いというわけではない。
→正しい人たちとは戦わない。「真に受けず、無碍にせず」
→品質保証部が強すぎて、開発力が落ちたという例
Q:アジャイルを導入して、働き方がどう変わったか?
→アジャイル部門が、全社で一番残業が少ない
(本当はもっと話があったはずですが、書ききれませんでした・・)
以上のように、時間のない中で色々な話を聞けました。
さて、パネルディスカッションの後、最後を締めくくるのはLT大会。各LTの概要と、聴いた感想を書いていきます。
『アジャイル推進室の作り方(仮)』 増田 謙太郎さん
アジャイル推進室の発足までと、スクラムマスターの取得、社内でアジャイルを広めるためにどういうことをして来たか?という話。 ギリギリ20代とのことで、すごい。やはり、最近はもう年齢とかに拘るのはナンセンスかなー。できる人には、どんどん役割を渡して、才能を発揮できる場を。 と思える内容でした。
『CSM研修を受けてからやったこと(仮)』 金 陽信さん
- CSM研修に自費で行った話
- それからの自分の変化
自費でCSM(認定スクラムマスター)研修に行った話が印象に残りすぎて、他をあまりメモできませんでしたw しかも、今回はLTが5分だったのですが発表しきれないスライドがまだまだ残っているとのこと。 どこかでまた発表されるんですかね?
『関西匠塾のご紹介(仮)』 稲田 新平さん
- 匠メソッドの紹介
- 関西匠塾の紹介
匠メソッドという名前だけでは想像つかないかもしれませんが、(本当はもっと広い範囲の話なのですが、わかりやすくいうと)顧客の価値とシステム開発を繋げることのできる方法論なので、知っておいて損はないと思います。ちなみに、関西匠塾で検索すればconnpassのページが見つかるので、興味のある方は参加してみましょう。
『コーチが16の現場で見たそれぞれのアジャイルの姿(仮)』 中村 洋さん
スクラムコーチを色々な会社で行なっている中村さんが、現場コーチとしての経験をもとに、アジャイルのダメなパターンと良いパターンを紹介。実戦経験からくる、わかりやすい話が聞けました。特にダメなパターンはありそうな話だなぁ・・と。 ただ、ダメなパターンだから失敗するというわけではなく、その中に一人でも良いパターンのマインドを持っている人がいれば成功するかも? と思える話でした。
といったところで、全セッション終了です。
全体的な感想としては、エモーショナルな内容が多く、今後の心の糧にできそうな話が多かったなあと。もちろん、技術的な話も良いのですが、スクラムを実践できていない身としては、こういうエモい内容の方がタメになるかもしれません。
あと、運営的な話ですが、休憩時間が長めに取られており、最後まで集中力を保ったままセッションを聞けたので、その辺りとても良かったです。運営のみなさまお疲れ様でした! また、来年も楽しみにしております。
以上。